予備試験に合格した私だから伝えられる!法学の基礎基本!

予備試験・司法試験の合格を目指していた私が法学の基礎基本とは何か…ということに悩み苦しんだ結果、たどり着いた答えを書き綴っていきたいと思います!難しい論点を解説しようとはしていません。法律の資格試験に合格するのに必要なことは法学の基礎基本を見極め、理解することだけです!

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

理由付けの方法3 客観・主観パターン

行為の法的性質を分析する 例えば、刑法の「他人の財物」(刑法第235条、窃盗罪)という構成要件について考えてみましょう。 特に「他人の」と言えるためには、他人の占有が認められなければならないというのが、占有説からの帰結です。 そして、占有され…

理由付けの方法2 形式的理由・実質的理由パターン

目的論的解釈の場合 例えば、民法第110条の「第三者」の意義を趣旨から解釈するとします。 民法第110条の趣旨は、無権代理人が代理権を有するかのような外観を正当に信じた者を保護するというものです(表見法理)。 この趣旨から考えると、「第三者」…

理由付けの方法1 必要性・許容性パターン

必要性・許容性パターン 前回、必要性・許容性パターンの特徴は、対立利益を拾いやすいことにある説明しました。 必要性は、主に権利行使をする側・権限を行使する側の利益を含んでいます。 他方、許容性は、その権利行使・権限行使が行き過ぎていないかとい…

法的なものの見方・考え方(7) 今すぐ使える理由付けの方法論

理由付けの三本柱 法律論を組み立てていくにあたって、理由付けは不可欠です。 このことは、多くの予備試験・司法試験受験生が意識しているようで、基本的には何かしらの理由付けをしながら論述を進めているのが多数派だと思います。 少し受験戦略的な話にな…

法的なものの見方・考え方(6) 法律効果も解釈の結果です

教科書の丸暗記になっていませんか? 前回は、権利濫用の条文(民法第1条第3項)を用いて、一般法理でもきちんと要件定立しないとダメですよ、というお話をしました。 キーワードは、「抽象度を排除する意識と感覚」です。 ところで、民法第1条第3項の法…

法的なものの見方・考え方(5) 不合格者は要件・効果の構成に鈍感

「要件・効果の話って当たり前すぎる」と思って油断すると落ちる!! さて、今回は、要件・効果のお話です。 要件とは、一定の法律効果が発生するための条件のことです。 効果とは、法律効果のことで権利義務が発生することを指します。 法律(条文)を理解…

法的なものの見方・考え方(4) 対立利益が見えますか?

質の高い答案、深みのある答案 タイトルを読んで「またか・・・」と思われてしまったかもしれませんが、今回もまた対立利益について触れることになります。 何度も触れるということはそれだけ大事なことだと認識していただければ幸いです。 同じように問題を…

法的なものの見方・考え方(3) 個人主義

自分のことは自分で決めるというのが基本 今回も至極当然の話をします。 個人主義(と私は命名していますが、学説でそのように言われることがあるのかはよく知りません)のお話です。 これは、見出しの通り、自分のことは自分で決めるという原則です。 現代…

法的なものの見方・考え方(2) 権利関係不変の公理

権利が発生するのも法律効果、権利が消滅するのも法律効果 さて、今回は、「権利関係不変の公理」という考え方について触れたいと思います。 予備試験・司法試験の答案で権利関係不変の公理について書くことはまずないと思いますが、法律関係について論ずる…

法的なものの見方・考え方(1) 原則・例外パターン

原則と例外 さて、今回から数回にわたり法全般に共通する見方・考え方について書いていこうと思います。 どれも当たり前の話だと思われるものばかりだと思いつつ、あえて書きます。 当たり前のことが当たり前すぎていつか意識されなくなると問題が難しくなっ…

予備試験・司法試験に合格する秘訣 合格者にアドバイスを求めることは有益か?

合格の秘訣は知るものではなく、気づくもの ここ数日法律知識に関する内容から離れていますが、それも今日で一区切りにします。 明日からは「法的なものの見方・考え方」と題して、法全般に共通する理論構成の仕方や視点の置き方について見ていきたいと思い…

予備試験・司法試験の合格を目指すあなたへ 嫌なら辞めなさい

諦めることの可能性 さて、私は予備試験・司法試験に合格するための話を常々してきているわけですが、決してそれがすべてではないとも思っています。 「諦めることの可能性」が今日のテーマです。 私が見る限りですが、予備試験・司法試験に合格できない人の…

やる気の出ないあなたへ 予備試験・司法試験の合格をつかみとるモチベーション

心理学からインナーチャイルドという存在 法的三段論法についてひと段落したところで今回は、法律と直接関係ない話をしましょう。 試験勉強を続けるにあたって絶対に避けて通れない「やる気」や「モチベーション」の話です。 こういう話をするとすぐに「簡単…

法的三段論法(7) あてはめに苦労した結果わかること

あてはめに見るインプット学習の盲点 前回は、ごくごく簡単にですが事実を評価するということに触れてみました。 ですが、これも技術の一つなので正直一度聞いただけでわかるものではありません。 たくさんの実践をこなしながら、その都度改善のアドバイスを…

法的三段論法(6) 事実を評価するという技術

要件に事実をあてはめたと言えるためには・・・ さて、今回は法的三段論法の結論部分の話です。 予備試験・司法試験の受験生ならもうホントに耳にタコができるくらい聞いていますよね? あてはめの話です。 要件に事実を「あてはめ」るから「あてはめ」とい…

法的三段論法(5) 事実を挙げる?

法律を使うということの核心 予備試験の論文式試験も終わり、ひと段落ですね。 予備試験は口述試験までありますから、全然気が抜けないとは思いますが。 司法試験を受験された方は、予備試験論文式試験の結果発表よりも先に結果発表という(ある種の)地獄を…

法的三段論法(4) 目的論的解釈からの学び?

目的論的解釈から見えてくるもの 予備試験の論文式試験を受験していた皆さん、お疲れさまでした。 ゆっくり休んでください。 休みがてら、このブログも読んでいただけると嬉しいです。 さて、前回は、①規範を立てるということに関連して簡単ですが法解釈につ…

法的三段論法(3) 法解釈の仕方

法解釈の仕方 さて、予備試験始まりましたね。 受験生の皆さん、残り一日頑張ってください! 私もブログ更新頑張らねば。 では、本日は、①規範を立てるという部分の解説として法解釈について触れたいと思います。 色々な解説書で法解釈について説明してあり…

法的三段論法(2)

規範を立てましょう? さて、前回から法的三段論法について書いています。 今回は、①規範を立てるということについて詳しく見ていきたいと思います。 「規範を立てる」とは、法(条文)を解釈して要件を明確にすることを言います。 この点について、例えば、…

法的三段論法(1)

これが出来なきゃ絶対に合格しない さて、今回から数回にわたって法的三段論法について書きたいと思います。 法律の勉強をしたことがある人なら一度は聞いたことがあるフレーズだと思いますが、これをマスターすることがいかに大切かということを理解してい…

予備試験合格に必要な知識と能力(3)

合格に必要な能力 前回までは、合格に必要な法知識について書いてきました。 今回は、能力について書いていきたいと思います。 これまでのブログと繰り返しになってしまう点は、簡単にしておきますね。 さて、まずは、想像力です。 法的利益をイメージすると…

予備試験合格に必要な知識と能力(2)

必要な知識はこれだけでいいのか? さて、前回からの続きで予備試験合格に必要な法知識について私見を書いていきたいと思います。 ③条文の文言・基本概念の定義は、これらを暗記するということですね。 これは、実際のところ、それほど数はないかなと思いま…

予備試験合格に必要な知識と能力(1)

何を身につければいいのか? 予備試験に合格するために必要なことは、法を理解し、使えるようになることであることを説示したのが前回までの流れです。 では、具体的にどのような知識を身につけ、どんな能力を磨けばいいのかというのが今回のテーマです。 早…

下剋上勉強法(4)

法を道具として使うとは? さて、前回は、「予備試験・司法試験に合格するために何をするか?」というテーマで書きました。 その結論は、「法を道具として理解し、使えるようになること」でした。 今回は、この点を掘り下げていきましょう。 道具というのは…

下剋上勉強法(3)

予備試験に合格するために何をするか? 前回は、予備試験に合格するために何をしないようにするか、というポイントでブログを書きました。 昔から「蛇足」とか、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とか言いますが、予備試験・司法試験においても当てはまること…

下剋上勉強法(2)

予備試験に合格するために何をやめたか? さて、前回告知した通り、本日のテーマは、「何をやらないようにするか?」です。 よく勉強法の話になると「この問題集がいい!」とか「○○講師の入門講座が秀逸だった!」とか、よく聞きませんか? そういう話は、面…

下剋上勉強法(1)

凡人が予備試験に合格するためには さて、今回からは、私の予備試験に対する合格戦略について書こうと思います。 まず初めに明らかにしておきたいことは、私は昔から特別勉強ができたわけではないということです。 通っていた高校は、偏差値50くらいの公立高…

一発合格の罠(3)

諦めるということの重要性 前々回より「一発合格の罠」と題してブログを書いています。 テーマと内容が少しずつ離れてきてしまっていますが、悪しからず。 最後に私が思う自己分析をするときのポイントを書いて終わろうと思います。ポイントは一つ、「諦める…

一発合格という名の罠(2)

自己分析の重要性 さて、前回より受験勉強をするときの注意点について書いています。 自己分析をしたうえで、受験勉強を積み重ねていかねばというところをもう少し掘り下げたいと思います。 この点には、私自身も苦い経験があるからです。 自己分析は、一生…

一発合格という名の罠(1)

自分のことわかっていますか? 前回までは、法学の概要について、かなり抽象的な話ですが、書いてきました。 今後も引き続き書いていこうと思っていますが、一旦コーヒーブレイクを挟みましょう! 内容がないような話ではありませんが、気軽に読んでいただけ…