法的三段論法(3) 法解釈の仕方
法解釈の仕方
さて、予備試験始まりましたね。
受験生の皆さん、残り一日頑張ってください!
私もブログ更新頑張らねば。
では、本日は、①規範を立てるという部分の解説として法解釈について触れたいと思います。
色々な解説書で法解釈について説明してありますが、正直何のことやらさっぱりわからないと思います。
というより、自分自身さっぱりわかっていなかったんだということが合格が近づくにつれてわかってきました。
法は道具ですからね。
使ってみないとわからない部分は多いんですよ。
とはいえ、今回だけは「法は道具である」という視点で触れておきます。
法解釈の細かな説明に触れたければ、大研究者の皆様の解説書を読んでください。
では、とても有名な民法第94条第2項の「第三者」という文言について解釈してみましょう。
「第三者」とは、
①虚偽表示の当事者又はその一般承継人以外の者である
②その表示の目的につき法律上利害関係を有するに至った者である
という2つのいずれも満たす者のことを言います。
ちなみに、「者」というのは、自然人と法人のことを指します。
これは「者」という文言の解釈です。
長くなってしまいますので、これ以上は割愛しますが、「者」の中にはウルトラマンや幽霊みたいな存在を含まないということが解釈で明らかになるのです。
で、話を元に戻しますが、上記①は、いわゆる文理解釈の結果明らかになることです。
文言の意味を国語的に明らかにしたということですね。
法(条文)というのは、全て文字で出来ていますから、法を使うときには文字の意味を無視することはできません。
仮に文字の意味を専ら無視してもよいということになれば、議員さんが一生懸命文字にしてルールを定めた意味がなくなってしまいますよね。
本末転倒です。
というわけで、法を使うときにその文言を文理解釈することは、基本中の基本となります。
次に②について見ますが、②は特に大事です。
②はいわゆる目的論的解釈といわれる解釈手法によって見出される意味です。
すなわち、法の趣旨(法が定められた目的)に沿うように文言の意味を解釈するということです。
法は道具ですから、それが作られた当初からそれにより達すべき目的があるのです。
ゆえに、その解釈もその目的達成につながるようにしなければ意味がありません。
その趣旨に反する解釈に基づき法を適用することは、「濫用」ですから許されません。
94条2項は、虚偽表示に基づく取引(契約は無効です)をした当事者に関わった第三者を保護することを趣旨とします。
そこで、上記の通り「・・・至った」と言える者だけを「第三者」とするのです。
見落とされがちなのですが、虚偽表示に基づく取引をした当事者が先にいて、その人と新たに取引をした人が「・・・至った」と言える人です。
法という道具をきちんと使いこなすためには、こんな数文字の解釈にも心を配っていかなければならないのです。