予備試験に合格した私だから伝えられる!法学の基礎基本!

予備試験・司法試験の合格を目指していた私が法学の基礎基本とは何か…ということに悩み苦しんだ結果、たどり着いた答えを書き綴っていきたいと思います!難しい論点を解説しようとはしていません。法律の資格試験に合格するのに必要なことは法学の基礎基本を見極め、理解することだけです!

理由付けの方法2 形式的理由・実質的理由パターン

目的論的解釈の場合

例えば、民法第110条の「第三者」の意義を趣旨から解釈するとします。

民法第110条の趣旨は、無権代理人が代理権を有するかのような外観を正当に信じた者を保護するというものです(表見法理)。

この趣旨から考えると、「第三者」とは、当該無権代理行為を有権代理と信じて取引を行った相手方を意味すると言えます。

そして、「第三者」という文字から見て、本人と代理人以外の者、すなわち、代理権受験行為の当事者以外の者をここに含めることは、問題ないと言えるでしょう。

したがって、「第三者」とは、当該無権代理行為を有権代理と信じて取引を行った相手方を指すと解釈できます。

 

これを形式的理由・実質的理由パターンに引き直すなら、趣旨から解釈することは、実質的理由に基づく理由付けに当たります。

他方、文言から解釈の妥当性を見ることは、形式的理由づけに当たります。

条文の解釈もどうしてそう解釈するのか、理由付けをしているとみることができるのです。

 

ちなみに、無権代理行為の相手方からの転得者は「第三者」に含むのか、という論点は、上記解釈問題の延長線上にあり、「第三者」の意義の限界を画する問題です。

行政法で使います

行政法の問題でよくあるのが、行政庁の裁量権の有無を問うものです。

「当該行政庁に裁量権があるのか、ないのか?」きちんと理由を付して答えることが求められます。

そんなとき、「当該条文の文言は抽象的である」(Ⓐ)「当該判断は、専門的技術的判断である」(Ⓑ)とか、理由付けをして行政庁の裁量権の存在を認定していませんか?

私は、Ⓐを形式的理由とし、Ⓑを実質的理由として整理していました。

形式的理由は、条文の文言から機械的に導けるもの、実質的理由は、条文以外の事情も含め、より妥当な結論を導くためのものといったイメージです。

 

論証を整理する中で理由付けまで暗記している方が多いと思いますが、論証ごとにやみくもに丸暗記するのは、非生産的であまり好ましくないと思います。

厳密でなくてもある程度グループ分け(構造化)をしておけば、知識の整理・思考のヒントつながります。

行政法裁量権の存否と「第三者」の目的論的解釈とを同じ性質のものとして論じている書籍を見たことはありませんが、私の中では情報整理の成功例の一つだと思っています。

 

ちなみに、上記「第三者」の解釈を必要性・許容性のパターンとしてとらえることも可能かもしれません。

趣旨が必要性、文言が許容性につながると言えませんか?

色々な角度から理由付けできることに気付けると、いよいよ暗記に頼らなくとも自分なりの論証を現場で構築できるようになってきます。

自分で考えられるようになると、問題を解くことが楽しくなってきます。

ただ教科書を読んでいるだけだったのが、多角的な視点での「分析」も可能になります。

いよいよ、予備試験・司法試験の合格につながる真の実力がついてきます。