予備試験に合格した私だから伝えられる!法学の基礎基本!

予備試験・司法試験の合格を目指していた私が法学の基礎基本とは何か…ということに悩み苦しんだ結果、たどり着いた答えを書き綴っていきたいと思います!難しい論点を解説しようとはしていません。法律の資格試験に合格するのに必要なことは法学の基礎基本を見極め、理解することだけです!

理由付けの方法3 客観・主観パターン

行為の法的性質を分析する

例えば、刑法の「他人の財物」(刑法第235条、窃盗罪)という構成要件について考えてみましょう。

特に「他人の」と言えるためには、他人の占有が認められなければならないというのが、占有説からの帰結です。

そして、占有されていると言えるためには、当該他人による占有の事実+当該他人による占有の意思の両方が必要と解する説があります。

これは、「他人の」と言えるための要件を設定したものと理解できますが、それと同時にいかなる場合に財物を事実上支配している(占有している)と言えるかを法的に理論づけたものであるとも言えます。

行為者の占有行為を客観面と主観面から基礎づけているということが分かりますね。

1を知り、それで終わらせない勉強法

上記の話を聞いて終わる人は、予備試験・司法試験に落ちる人です。

たくさんの知識を吸収し、より理解を深めるためには、他の話とのリンク付けの意識を持つことが大切です。

例えば、民法相続制度には、いくつかの欠格事由(民法第891条各号)が定められています。

その中でも短答式試験でよく問われるのは、第5号「・・・破棄し、又は隠匿した者」の意義です。

判例は、当人について、遺言書を破棄又は隠匿するのみならず、相続に関して不当な利益を目的とするものでなければならないとしています。

まさに、「破棄・隠匿行為」に該当する行為の性質を行為者の客観面・主観面から検討していますね。

 

このように科目が変わっても基本的な理由付けのパターンは、ある程度共通性があります。

それは、「法律問題=法的利益をめぐる紛争」という点で、根本的な部分に共通性があるからだと思います。

また、人の行為を評価するという観点でみると、人の行為には、必ず客観面と主観面の評価が可能であり、その両面をバランスよく見ることで、より実質的な分析が可能になります。

その実益は、科目が変わっても変わらないのです。

 

この点を考えず、やみくもに暗記に走る人は、やがて挫折します。

また、知らない論点にぶつかるとたちまち頓珍漢なことを書くようになります。

ぜひ様々な分野・論点を勉強する中でも「同じこと」を見つけるように努力してください。

「同じこと」というのは、つまり、事の本質的部分に当たると私は考えています。

本質がわかっていれば、当然理解も深まります。

本質がわかっていれば、枝葉の知識が不足しても自分の頭で考えて問題を解決することができるようになります。

 

まだ納得いかない方のためにもう少し書きますと、所詮人間が考えられることには限りがあります。

何千通りもの問題をその都度違うパターンで解くというのは、人間の脳による情報処理の限界を超える試みであり、不可能だと思います。

また、使えるパターンを増やすことは、一見いいように思いますが、パターンが増えるほど一つあたりの登場頻度が減りますよね?

慣れないパターンも増えますよね?

そうすると、不慣れから来るミスが必然的に生じてきます。

ミスを防ぐためにも確実に間違いなく使える武器を一つでも多くしておいた方がいいのです。