予備試験に合格した私だから伝えられる!法学の基礎基本!

予備試験・司法試験の合格を目指していた私が法学の基礎基本とは何か…ということに悩み苦しんだ結果、たどり着いた答えを書き綴っていきたいと思います!難しい論点を解説しようとはしていません。法律の資格試験に合格するのに必要なことは法学の基礎基本を見極め、理解することだけです!

同じ規範なのになぜ点数に差が出るのか? 添削指導を始めてわかったこと

上位答案は盛りすぎていた!!

 

司法試験や予備試験の受験生で「規範」という言葉を聞いたことがない人はいないと思います。

恐らく使ったことがないという人もほとんどいないでしょう。

しかし、「規範」の怖さを理解している人はどれくらいいるでしょうか。

今回は、「同じ規範なのになぜ点数に差が出るのか?」がテーマです。

 

まず初めに注意点なのですが、巷に出回っている上位合格答案は、あまり参考になりません。

理由は3つです。

1つ目は、分量が多すぎる。

普通の人では、とても書けない分量で書いてあることがあります。

論理展開も普通の人では、とても思いつかない秀逸かつ穴のないものであることがあります。

こうした特徴は真似しようとしても無理なので、「私は天才です」という方以外は、上位合格答案を読んでもあまりいいことがありません。

 

2つ目は、法律論が高度すぎる。

司法試験や予備試験は「基礎的な力を試す」とうたいながら、ふたを開けてみれば超難しい知識を問う問題であったということが少なくありません(最近は減少傾向にあると思いますが。また、知識がないからといって合格答案が書けないかと言うと必ずしもそうではありません。)。

「普通、知らんでしょ?」という知識も出題されます。

しかしながら、上位合格答案は、それにも答えていたりします。

そりゃ上位合格答案になるのも納得ですが、凡人が普通に勉強していてもそんなに広範かつ深い知識を得るのは、難しいです。

同じ知識レベルを追い求めていけば、「基本的知識を基に考えさせる」という司法試験や予備試験の本質から離れることになりかねません。

(なお、複数回受験の受験生の合格率が下がるのは、思考ではなく知識に偏重し始めることが一因だと言われています)

 

3つ目は、上位合格答案は多かれ少なかれ盛っている可能性があるということです。

これは、実際に上位合格答案として某T所の本に掲載された経験がある方から聞いた話です。

「別に嘘をつくつもりはないが、多少は盛る」とのことでした。

そりゃ他人様に見られることを意識すれば、よく見られたくなるのが人の性でしょう。

とすると、上位合格答案は、司法試験・予備試験の超優秀層が実際の試験で書ける以上の答案である可能性があるということになります。

内容に対する信用度は高いかもしれませんが、真似るのはあまり実践的ではないでしょう。

 

規範は真似られるが・・・

 

そんな上位合格答案ですが、上記の通り、内容の信用度は相対的に高いと思います。

そこで使われている「規範」や「理由付け」は、大いに参考にできると思います。

 

しかしながら、同じ「規範」を使っても、点数が雲泥の差になってしまうのが司法試験・予備試験の怖いところです。

多くの「普通の受験生」にとってそこが大事なポイントです。

 

なぜそんなことが起きるのか?

理由は1つ。

「当てはめ」に差があるから。

もっと言えば、規範を用いた論述の密度に差が出るからです。

 

では、なぜ論述の密度に差が出るのか?

理由は3つ。

1つは、規範に対する理解のなさです。

あてはめが苦手な受験生にありがちな勘違いですが、あてはめ力のなさは、必ずしも演習不足とは限りません。

司法試験予備試験の過去問を2、3週していれば、それなりの演習量を積んでいると思います。

それでもあてはめがうまくいかないのであれば、演習不足以外の原因を疑うべきでしょう。

例えば、規範に対する理解のなさです。

規範の理解が曖昧なままあてはめをしても上手くいかないのは当然です。

あてはめは、規範に対応させるべきものだからです。

しかし、いわゆる「論証パターン」に頼っている受験生は、ここを間違いがちです。

 

2つ目は、あてはめの仕方を知らないことです。

「具体的に検討を」「事実を評価して」などと言われても、最初は何のことかさっぱりわからないと思います。

この状態で演習を繰り返しても上手くならないのは当然です。

しかし、数をこなせば理論で押し通す指導も少なくありません。

最悪の場合、間違ったあてはめを「悪癖」として身につけている受験生もいます。

あてはめの仕方を学んだことがないなら、まずはあてはめの仕方を学びましょう。

 

3つ目は、規範を使いこなすための視点や考え方が身についていないことです。

上記の通り、規範を理解することが大事なのですが、「頑張る」だけでは乗り越えられないことがあります。

その前提となる法的な視点や考え方は、いわば「暗黙知」として至る所で問題となります。

これが身についていないと同じ規範を学んでも「感じ取れること」に圧倒的な差が出ます。

また、規範を使うという場面でも、具体的事実関係の分析やその評価に差が出てきます。

ここは、いわば法を道具としてつかう「技術」の差とも関係するところですが、それを磨けるのも基本的な法的視点や考え方を持っているからです。

「技術」の本質は、教わるものでなく、知らず知らずのうちに磨かれるものなのです。

 

暗黙知をどうやって身につけていくか?

 

さて、論文の点数を伸ばすには、「暗黙知」である法的な視点や考え方を身につける必要があることを指摘したところです。

 

これをどう身につけていくか?

上位合格答案を書けるような優秀層は、教わらなくても当然に身につけていきます。

なぜなのかはわかりませんが、「見えている」ようです。

ただ、ご心配なく。

「見えない」なら見せましょう。

ここで問題になっている暗黙知とは、法学の基礎基本のことです。

「法学の基礎基本」を知り、それを徹底すれば、見えてくるものがあります。

「法学の基礎基本」は、論点でも規範でもありません。

今更これを学ぶのは遠回りに思うかもしれません。

 

しかし、これを避けていたら、いつまでたっても「合格」はやってこないでしょう。

私自身もそうでした。

何度も予備試験に不合格になり、最後の悪あがきと思って「法学の基礎基本」に立ち返りました。

そこで初めて「見えました」。

たくさんの法律論が一つにつながり始め、合格への道筋を示してくれました。

 

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