刑訴法課題テスト① 予備試験口述式試験の注意事項
「うまくやろう」としない。とにかく「もがく」。
今回は予備試験口述式試験の注意事項についてです。
大まかなポイントについては、各予備校が分かりやすくまとめてくれていますのでそちらをご覧になると早いと思います。こちらでは、実際に経験した者によるリアルな「これをやっておくべき」をお伝えできればと思います。
・何を勉強するか?
口述式試験というと、要件事実や手続法、法曹倫理という分野に目が行きがちだと思いますが、意外と実体法の知識をざっと復習しておくことも大事だと感じました。やはり、法学習の核になる部分の知識は確認しておきたくなるようです。
論文式試験のように規範を正確に覚えるような勉強をする必要はありませんが、どの分野の話をされても思考停止しない程度には準備をしておいた方が無難だと思います。もちろん、口頭で言えるようになっておくことは必須です。
ちなみに、要件事実、手続法、法曹倫理に関しては、辰巳法律研究所の法律実務基礎科目ハンドブック(民事・刑事)で十分だと思います。不安になって他の本に手を出すよりも、その一冊を完璧にすること+論文式試験までに学んだことを復習することが大事だと思います。
・模試は受けた方がいい?
私は、辰巳・LEC・伊藤塾・資格スクエア・スクール東京の口述模試を受けました。試験本番を終えてみて模試を振り返ってみると、「模試の試験官の皆さんはやさしかったな」という感じです。口述模試も緊張しますが、正直本番には及ばないと思います。「試験官のオーラ」も違います(笑)。言い換えれば、口述模試で余裕を感じられるくらいの準備をしておかないと、試験本番で思わぬ事態に陥る可能性が高いということです。試験本番ではどのような試験官にあたるかわかりませんし、人に聞いた話では、かなり圧迫感のあるやりとりをする試験官もいるようです。
「備えあれば憂いなし」です。また、口述試験に落ちれば、来年一からやり直しです。口述模試はできるだけたくさん受けて、主査副査の言葉・動きの一つ一つに気を配れるような余裕を持てるほど万全の準備をすることをお勧めします。
・六法は見られる?
主査の許可を得られれば見られますが、場合によっては六法を見ることがマイナスに作用することもあるようです。まず、時間のロスにつながります。最後の問題まで答えられないと、それだけで減点です。また、基本的な条文すら覚えていないことは勉強不足と見られてしまう可能性もあります。緊張は言い訳になりません。体に馴染んでいることは、緊張していても思い出せるはずだからです(緊張で自分の誕生日を忘れることはありませんよね?)。
私の経験では、刑事系の際、六法を見ることを許可されませんでした。おそらく制限時間いっぱいだったことが理由だと思います。そういうケースもあるのです。
・主査の誘導や返答、副査のしぐさ
確かにこれらのサインは、試験を乗り切る上で見逃せないポイントです。ただ、あまりにもこれらを意識しすぎるとよくないのではないかと思います。上手くいっている時は、問題ないのです。しかし、試験本番、主査の問いに答えるのにいっぱいいっぱいになっている時は、主査や副査の一挙手一投足が疑心暗鬼を招いてしまうときもあります。「シンプルに聞かれたことだけに答える(間違っていても構わない)」というスタンスが王道且つ基本です。
・試験の心構えは?
タイトルの通り「『うまくやろうとしない』とにかく『もがく』」です。民事系と刑事系のいずれかを大きな問題なく乗り切れれば、ほぼ合格だと思います。私自身、刑事系は目も当てられないほどボロボロになりましたが、初日の民事系を乗り切っていたため合格できました。「乗り切った」というのも全て淀みなく答えられたかというと、必ずしもそういうわけではありません。模試の時に比べれば、だいぶ出来は悪かったと思います。でも、受かるのです。
試験本番になったらとにかく「聞かれたことに一生懸命答える」ことだけに集中していればいいと思います。口述試験は、論文成績上位の人が、しどろもどろになる時もあるある意味難しい試験です。ミスすることは当然のこととして、本番で「もがく」ための事前準備を万全にすることが大切だと思います。
それでは、刑訴法課題テスト①を始めましょう。
○注意書き
・参照可→六法等
・制限時間なし
・解答は記述式
・記述の構成要件→①正誤②条文の適示③問題となる要件④問題の所在
・5問中4問正解で合格
問1
捜査の端緒には何ら制限がなく、刑事訴訟法に規定されたものに限られない。同法に規定のない捜査の端緒である職務質問を行う場合、それに付随して行う所持品検査は、任意の承諾がある場合及び任意の承諾がない場合のいずれも適法になりうる。
(正誤)
(理由付け)
問2
司法巡査が通常逮捕の逮捕状を請求することは適法であるから、同請求を受けた裁判官は、被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があると認める時は、常に逮捕状を発しなければならない。
(正誤)
(理由付け)
問3
緊急逮捕令状を発するためには、逮捕後直ちに裁判官の逮捕状を求める手続きがなされるとともに、逮捕時における緊急逮捕の要件及び逮捕状発付時における通常逮捕の要件の双方を満たしていることが必要である。
(正誤)
(理由付け)
問4
黒い服を着た男が民家の庭に侵入しているという通報を受けた司法警察官は、現場に急行したが、すでに犯人は現場から逃走していた。同司法警察官が、犯行直後現場から約30メートル離れた駐車場にいた被疑者Aを現行犯逮捕することは適法となりうる。なお、逮捕の必要性は認められるものとする。
(正誤)
(理由付け)
問5
被疑者甲は、令和元年2月14日(①)と同年2月26日(②)に、それぞれ窃盗事件を起こし、②について、同年6月12日に逮捕、同月14日に勾留された後、同年7月1日、常習特殊窃盗の罪で起訴された。甲は、同公判中に保釈されたが、保釈中に再び窃盗事件を起こした。この場合、「一罪の範囲では、一回の逮捕勾留しか許されない。」との見解をとる場合、①事件について逮捕勾留することは許されることはないが、③事件について逮捕勾留が許されることはある。なお、①及び③は、②と実体法上一罪の関係にあるとする。
(正誤)
(理由付け)
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