憲法課題テスト①解答発表 司法試験・予備試験短答合格レベルの方へ
「論文が書けない」はシンプルに演習不足では!?
予備試験の短答式試験終了以降、短答式試験の合格ラインを超えてそうという方からお問い合わせをいただくことが増えてきました。
お問い合わせの内容は主に「論文の書き方を教えてほしい」「制限時間内に論文が書けない」というお悩みです。少数ながら「論文までの最終調整として添削してほしい」というご依頼もあります。
今回は、「論文が書けない」というテーマについて書こうと思います。
そもそも論として「短答合格レベルの方なら論文を書けるだけの実力があるのか?」という話ですが、これは否だと感じています。
短答はある程度知識があれば受かります。しかし、知識があるだけで突破できないのが論文式試験の難しいところです。予備試験の短答式試験をとりあえず知識を詰め込むことで突破してきた方は、論文式試験の厚い壁に阻まれることになるようです。
ここでよく聞くお悩みを共有しておきましょう。
①「書きたいことはわかっているが、どう書いていいかわからない」
→論文を書くことにまだ慣れていないという段階ですね。実際に書き出してみると編が進むようになりますから、どんどんチャレンジすることが大切です。
②「書けそうな筋が複数あって、最終決断に迷う」
→ある程度法的思考が進んでいる状況にあると思います。試験には制限時間がありますから、ときに思い切りの良さも必要です。完璧な答案を目指す必要はないですし、結論の如何によって点数が大幅に変わることはないと思います。普段の演習段階から、「決断する勇気」を意識する必要があります。
③「そもそも何を書いていいかわからなくて右往左往している」
→短答合格レベルでもこういう状態に陥る方は少なくありません。知っていることなら書けるけど、知らないことには手も足も出なくなってしまうようです。短答レベルできちんと法的思考を組み立てる習慣をつけておかなかったことが根本的な原因です。今一度、条文から考える意識を強く持つことです。
各論点に対する書き出しの方法については、以下の通り考えることができます(詳しくは、別売り「法学のコンパス」へ(下記リンク参照))。
ア条文の文言解釈
イ条文上不明
ウ条文不存在
の3パターンです。
法律学は条文から考えるのが基本ですから、論点の発生過程も条文とは切り離せません。このことを意識するだけで、問題文の整理がとても容易になります。
④答案は完成させられるが、時間がかかりすぎる
これは一番多いお悩みです。おそらく論文式試験に挑むほとんどの受験生が直面する壁だと思います。
「問いの把握→問題提起(条文適示)→規範定立(条文解釈等)→あてはめ(事実適示とその評価)」という過程のうち、どこで時間がかかってしまっているのか、まずは分析しましょう。答案構成の段階ですでに立ち止まってしまっている方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、「あてはめが苦手で・・・」という方は、そもそも規範の理解が不十分であることがほとんどです。
さて、憲法課題テスト①の解答と出題者の一言へ進みましょう。
まだ問題を解いていない方は、下記リンクから!!
問1→×
(出題者の一言)憲法の難しさは条文にない法理論をたくさん理解して覚えないといけないところだと思います。大変ですが、憲法は他の法律の基礎にあるものなので避けては通れません。頑張ってください。
問2→×
(出題者の一言)人権享有主体性の話は、憲法の適用可能性と考えるとわかりやすいかなと個人的には思っています。他の科目では人の個性によって適用可能性が変わるという話を勉強しないので不思議に感じるかもしれませんが、そもそも、適用可能性が認められないとその法の話はできないことになります。
問3→○
(出題者の一言)憲法でも条文から考えることは基本です。本問はそのことを確認していただきたく出題しました。教科書等では、条文解釈の話として解説されていないかもしれませんが。
問4→×
(出題者の一言)この問題は判例の内容を正確に理解していないと間違えると思います。その判例がどの段階の話をしているのか、議論の構造を意識してインプットしましょう。
問5→×
(出題者の一言)この問題は少し引っかけの要素を加えています。原則例外が問題となる時は、きちんと原則と例外を意識しておかなければなりません。原則例外の構成にするのは、それなりの理由があるからです。
次回の憲法課題テスト②は2020年9月21日予定です。
奮ってご参加ください。
課題テストの添削希望の方は、下記リンクより!
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次回憲法課題テスト②のテスト範囲は下記の通りです。
4・幸福追求権
・幸福追求権とは
・新しい人権とは
・プライバシー権とは
・名誉権とは
・環境権とは
・自己決定権とは
・肖像権とは
5・法の下の平等
・「法の下」の「平等」とは
・形式的平等と実質的平等とは
・絶対的平等と相対的平等とは
・平等原則と平等権とは
・後段列挙事由とは