憲法課題テスト② 知らないことは見えないという話
森野キートスさん「いつか博士になる人へ」より
森野キートスさんという方のブログが大変面白いと思いました。
博士研究員をされているとのことで研究活動をきっかけにした様々な発見について読み易い文体で書かれています。
興味がある方は下記リンクよりぜひ読んでみてください↓↓
https://www.ki1tos.com/entry/2020/06/23/174141
リンクを付けたブログのタイトルは「人は知っていることしか見えない」です。
これは、法学にも通ずる話だと思います。
例えば、司法試験・予備試験の過去問を解いたとき、合格者と不合格者では問題に対するアプローチが違います。同じ論点を書いていても、力の入れどころが違うのです。そして、不合格者はそれに気づいていないことが多いです。
添削指導をしていても、受講者の方から「すでに出題趣旨・採点実感を読んだことがある問題だから、結構書けていると思った」「添削指導で指摘されたことは、これまで考えたこともなかった」という反応を受けることはよくあります。
これは単に「知らない」ということに原因があると思います。「知らない」というのは、見たことも聞いたこともないという場合だけでなく、見たり聞いたりしたことはあるがその真の価値を軽視(又は無視)していたという場合も含みます。
前述の森野キートスさんのブログの中に
「理解不足ですか?」「いや俯瞰力ですよ」
という”先生”とのやりとりがあります。
ある程度勉強を続けてきた方の多くは、このレベルでの「知らない」という壁に直面しているように感じます。
研究者が論文を書きあげる時も多くの人と話をし、その構想を深めるようですが、司法試験・予備試験の論文式試験でもその過程は非常に大事です。
「自分は書けている」という思い込みは、自分の「知っている世界」の中だけでの判断です。法学の世界がとてもとても広く深い世界であることは言わずもがなですが、「知らない世界」は「知っている世界」のすぐ横にあるように思います。
添削指導は「知らない世界」への扉をあけるシンプルな手段なのです。恐れずに一歩踏み出してみませんか。
では、憲法課題テスト②の問題を発表します。
○注意書き
・参照可→六法等
・制限時間なし
・解答は記述式
・記述の構成要件→①正誤②条文の適示③問題となる要件④問題の所在
・5問中4問正解で合格
問1
普通地方公共団体が、公権力行使等地方公務員の職とこれに昇進するために経るべき職とを包含する一体的な管理職の任用制度を構築した上、外国籍の職員が同管理職を受験することを拒否したことは、平等原則に反する。
(正誤)
(理由付け)
問2
判例によると、何人もその承諾なしにみだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有し、警察官が正当な理由なく個人の容貌等を撮影することは、個人のプライバシー権侵害にあたるから違憲である。
(正誤)
(理由付け)
問3
租税法の定立については、国政全般からの政策的・技術的判断にゆだねるほかなく、租税法分野における取扱いの区別は、立法目的が正当で、区別の態様が目的との関連で著しく不合理でない限り、憲法第14条第1項に反しない。
(正誤)
(理由付け)
問4
堀木訴訟上告審判決(最大判昭和57・7・7)では、法令等の憲法第25条違反の問題と憲法第14条第1項違反の問題が、一括して審査され、法令等の内容が著しく合理性を欠き明らかに裁量権の逸脱濫用とみざるを得ない場合を除き、具体的な立法は裁判所の審理判断の対象にはならないとした。
(正誤)
(理由付け)
問5
判例によると、憲法第14条第1項は、法の下の平等を保障した規定であって、同項後段列挙事由は、例示的なものにすぎない。そして、当該規定は、事柄の性質に即応して合理的と認められる区別を許す趣旨であるところ、過去に存在していた尊属殺重罰規定・尊属傷害致死規定は、「社会的身分」(同項後段列挙事由)に関する差別の例として挙げられる。
(正誤)
(理由付け)
憲法課題テスト②の解答は、明日2020年9月22日発表!!
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