民法課題テスト①を終えて なぜ参照可にするのか?
大事なことは知識の有無ではない!?
民法課題テスト①受けて頂けたでしょうか?
まだの方は下記リンクをチェック!!
さて実際に受けてみた方はお気づきだと思いますが、ABprojectが提供する演習の特徴として「参照可」「制限時間なし」というものがあります。
今回は、なぜ「参照可」にするのか?という疑問についてお答えしたいと思います。
そもそも、法律問題に解答する場合、法律知識が不可欠です。皆さんもご存じのとおりです。ですが、「法律知識がある=あいまいな『知識』を覚えている」だけになっていませんか?きちんと理解できていますか?正しく使えますか?
これまでたくさんの答案を添削してきた中で法律知識をきちんと身につけている方に出会ったことはほとんどありません。添削対象者の中にはロースクール生もいますし、すでに司法試験を受験したことがあるという方もいますし、予備試験の短答は突破したという方もいます。
皆さん「何となく」は書けています。一度解いたことがある問題に再び挑戦してみたというケースも含めてです。文章を読んで教科書・判例に触れたことはあるのであろうということが分かるレベルです。
ただ、「きちんと」書けていない。何がマイナスポイントかと言うと、知識が正確でない(特に規範があいまい)・知識の使い方が分かっていないという点です。ちなみに、この点はあてはめの不出来も含みます。知識が身についていない方は得てしてあてはめも崩壊しています(ご注意ください)。
実感として司法試験・予備試験に落ちる人の多くがこのレベルにいるんだろうと思います。また、私の経験も踏まえて考えると、壁にぶつかるのもこの辺りのレベルなんだろうと思います。そのため、このレベルの人達を如何に合格レベルまで引き上げるかが法学習指導の課題だと考えました。
そこで考えたのが「参照可」でのアウトプットを推奨することです。
・逐一参照しながら答えることで知識を再確認できる(知識の正確さ)
・知識の有無にとらわれず、それをどう使うかに集中できる(知識の使い方)
にメリットがあると考えます。
記憶を定着させるためには何度も確認することが必須ですから、これを繰り返すうちに勝手に知識も増えていきます。また、問題を通じて知識に触れることで無味乾燥な暗記作業から脱却できるというメリットもあるかもしれません。さらに不思議なことに、知識の使い方が身についてくると自然とインプットが加速していくんですね。これは、法知識にはある程度のパターンがあること及び知識の体系化が進むことと関係していると考えています。
私としてはとても合理的な勉強法だと思っているのですが、時に以下のような質問を受けることがあります。
「参照可だと知識の有無を判定できないのではないですか?」
そのような質問にはこう答えます。
「大丈夫です。何かを参照して答えても理解できていないところは一目瞭然にわかります。」
過去に法律事務所の電話番をしていたこともあるのですが、素人の法律マニアと法律の専門家との違いはある程度話を聞けばだいたいわかるものです。素人が何かを参照しても素人であることはばれます。
それがばれなくなった時は、「法律知識の使い方がきちんと身についた」ということになります。あとは簡単ただ覚えるだけです。司法試験・予備試験合格おめでとうございます。