勉強の効率化と手抜きの違い 量より質の弊害
合格者はやっぱりたくさん勉強している
さて、ここのところは、行政書士試験の話や宅建の過去問解いてみたシリーズをやっていました。
今日は、法学習者全般向けです。
テーマは、勉強の効率化です。
昨今は、勉強の方法論に関する本とかよく出てますね。
法律関連はもちろん、他分野でも一般学習者向けに「より合理的に、より効率的に」学ぶためにはどうしたらいいのか、をわかりやすく解説した本が多数あります。
が、そういう本を読んでいる人の多くが、おそらく思うような成果を挙げられていないのではないかと思います。
結局、いつも合格するのは、同じ人のように感じています。
そもそも、効率的・合理的な方法というのは、人の成長という観点からすると必ずしも適切な方法ではない場合があるということに注意すべきだと思います。
確かに、勉強にも「タスク処理的分野」があるので、その点を軽やかにクリアしていくためには効率的・合理的な方法を模索することもありだと思います。
しかし、世の中の情報処理スピードの加速度と人間の情報処理スピードの加速度は、違っているのではないでしょうか。
世の中がどんどん情報化していくわけですが、人間の脳はそれに追いついていないと思います。
方法の見た目にとらわれず、その実を考えながら、自分の成長につながる方法の取捨選択をしていかないといけないと思います。
実際、予備試験・司法試験の合格者と話していても、一見「非効率的・非合理的」で地味な勉強をしている人が結構います。
例えば、講座を受けるのではなく、地道に基本書を読み進めていくパターンです。
いわく、「講座は講師の話術でわかった気になるケースが多い。読書だとわからないところがはっきりするし、自分のペースで進められるからいい。」
のだそうです。
私自身も、講座を聞いて理解するというのがあまり合っていなかったと思います。
講座を聞いて理解するというより、問題を解いたり、本を読んだりした後、その分野を理解している人に疑問をぶつけ、議論しながら、理解を進めるという方法が主でした。
自分の身になる方法というのは、人によって違いますし、ある程度勉強をした経験がないと見えてこない部分もあります。
合格者が提唱する効率的学習を妄信しないようにしましょう。
それから、そもそも論ですが、合格者は、総じてよく勉強しています。
量より質とは言いつつも、その勉強量を聞くと驚きます。
私が知っている社会人として働きながら勉強していた方も、純粋受験生よりも短いとはいえ、休日も含めれば合格もうなずけるだけの勉強量をこなしていると感じました。
(六法みれば、その人がだいたいどれくらい勉強しているか、わかりますね。)
というわけで、予備試験・司法試験、行政書士試験、宅建、等々資格取得を目指している皆さん、基本は、「量」です。
ただでさえたくさん勉強しなければならないのに、まだ量を求めるのか、という気がするかもしれませんが、合格に必要な最低量をこなさなければ、やはり合格は見えてこないかなと思います。
効率化という名の手抜きに逃げず、愚直に量をこなしていけば、自然と力の抜きどころが見えてくると思います。
力の抜きどころが見えていると言うことは、その分野の本質が見えてきたということでもあると思います。
ここまでくると、合格ラインが見えてきます。