予備試験に合格した私だから伝えられる!法学の基礎基本!

予備試験・司法試験の合格を目指していた私が法学の基礎基本とは何か…ということに悩み苦しんだ結果、たどり着いた答えを書き綴っていきたいと思います!難しい論点を解説しようとはしていません。法律の資格試験に合格するのに必要なことは法学の基礎基本を見極め、理解することだけです!

宅建の過去問を解いてみた!! 短答問題の読み方・解き方を解説

法的思考を大事にしてください

先日、宅地建物取引士資格試験(以下、宅建)を受験予定の方から民法について個別指導をしてほしいとのご依頼を頂きました。

その準備としてまずは過去問を解いてみたのですが、宅建の問題は、基本的知識を問う良問が多く、知識の整理には、非常に有益な素材だと感じました。

「短答だから覚えるだけ」とか「論文に比べて簡単だ」とか、言う偏見を捨て、謙虚に一問一問(一肢一肢)丁寧に解いていくことをお勧めします。

宅建を受験予定の方についても「民法分野」であれば、個別指導等対応が可能です。

ご興味のある方は、ぜひコメントくださいませ。

全肢を見ていくととても終わらないので、正解の肢だけどう考えて解くべきか、解説します。

もし全肢解説をご希望の方がいらっしゃいましたら、コメント頂けば、何らかの対応を検討したいと思いますので、コメントでお知らせください。

 

では、平成30年の宅建民法分野(全10問)の正解肢解説始めます!!

 

【問1】

 正解 4 

 本肢は、Aが第三者の詐欺によってBに甲土地を売却してしまった(売買契約(民法第555条))とき、Aは第三者の詐欺を根拠にして当該売買契約を取り消すことができるかを問う問題でした。第三者の詐欺によってした意思表示(本件では、甲土地を売るというAの意思表示を指します)の取消しの可否を問われたら、民法第96条第2項を思い出してください。あとは、同規定に従って処理するだけです。同規定は、民法債権法改正の影響を受ける部分なので、必ずご自身で条文を読んで本肢を検討してください。

 「Dが第三者の詐欺の事実を知っていれば」という条件に惑わされてしまう人は、「条文(要件・効果)に従って解く」という意識が希薄です。「引っかけかー」と嘆くのではなく、条文知識という基礎基本が疎かになっていたことを嘆きましょう。条文が頭に入っていれば、この問題は楽勝です。

 

【問2】

 正解 4

 本肢は、Bによる本件契約の締結が無権代理行為となるか否かを問う問題です(何を問われているのか把握することは、当たり前のことですが、とっても大事なことなので念入りにしましょう!!)。そして、その解答をめぐり法の大事な原則を知ることができます(権利関係不変の公理です)。

 「AがBに代理権を授与した後」「Bが後見開始の審判を受け」た、そしてその後、本件契約が締結されたという時系列の中で、本件契約時にBに本件契約の代理権があったのか否かを考えます。本件契約時においても代理権があったと言えるためには、代理権が発生したこと(①)及び本件契約時まで代理権が消滅していないこと(②)が認められる必要があります。権利の有無を問う問題は、全てこの論理構造で考えますのでぜひ覚えておいてください。そして、権利関係不変の公理という考え方があるため、権利の消滅原因が認められない限り、一度発生した権利が勝手に消滅することはありません。

したがって、①があれば、②がない限り、権利は存在し続けると言うことができます。

本肢は、「Bが後見開始の審判を受けたこと」が②に当たるか否かを知識として知っておく必要がある問題でした。民法第111条第1項第2号をチェックしておいてください。

 

【問3】

 正解 3

 本肢だけを見ると、純粋に条文の知識問題だと思います。民法第127条第1項の話ですね。同条第3項では「当事者が・・・意思を表示したときは」と規定されていますから、この点からも、原則は、条件成就時点以降の効果発生となると理解できます。

 なお、私は、少々自身がなかったので消去法で肢3を正解に選びました。予備試験に受かってるとか言っても、知らない知識はあるものです。あと、肢2は意外と深い肢のような気がするので、ぜひ検討してみてください。

 

【問4】

 正解 2

 本肢は、判例の知識が問われているということが一瞬でわかるといいですね。予備試験・司法試験の短答式試験でも飽きるほど繰り返し問われている知識です。意外に思われる方もいるかもしれませんが、宅建でも予備試験・司法試験でも結構共通して問われる知識が多いんです。基礎基本は同じということがよくわかりますね。

 ちなみに、判例知識とはいえ、条文の理解の問題です。民法第145条の「当事者」の意義、そして、その意義から考えて後順位抵当権者に時効援用権があると言えるか、という形で知識を整理してください。

 

【問5】

 正解 3

 本問は、問の説明文が長いという特徴があります。こういう場合は、説明文がヒントになっているときも少なくないので、面倒くさがらずよく読んでくださいね。本肢でも説明文中の「隣人Bの留守中に台風が接近して」という一文が緊急事務管理民法第698条)の問題だと判断するヒントになっています。「台風→『急迫の危害(698条)』」と気づいてほしいです。また、説明文中「Bからの依頼なく→『義務なく他人のために(697条)』」という点に気付けないとこの問題の解答はスタートしないことも付言しておきます。

 条文がどのようなケースを想定しているのか、具体的なイメージが持てるようにしましょう。

 

長くなりすぎたので続きは次回!!