予備試験に合格した私だから伝えられる!法学の基礎基本!

予備試験・司法試験の合格を目指していた私が法学の基礎基本とは何か…ということに悩み苦しんだ結果、たどり着いた答えを書き綴っていきたいと思います!難しい論点を解説しようとはしていません。法律の資格試験に合格するのに必要なことは法学の基礎基本を見極め、理解することだけです!

法的な文章の書き方 予備試験・司法試験の落とし穴

答練を受けまくっている受験生がはまりがちな落とし穴

さて、ある程度、私の法に対する考え方をお伝え出来たと思いますので、今度は、法に当てはめるべき事実の方に視点を移してみましょう。

当ブログで何度も言及している通り、法から要件を導き、その要件に生の事実を当てはめることが法の基本です。

このことは、結構多くの受験生が語ることではないかと思います。

 

ですが、予備試験・司法試験の合格に不可欠だと言われる答案練習会(答練)でこんな指摘を受けたことはないですか?

「この要件該当性は、当然認められるので簡潔でよい。・・・」

特に行政法や刑法など、各分量が多い科目でよくされる指摘だと思います。

他方で、「もっと具体的に書いてください。・・・」

という指摘を受けたことはありませんか?

 

「当然認められるから簡潔に」と言われたかと思えば、「もっと具体的に」と指摘される始末。

私は、受験生時代とてもとても混乱しました。

「じゃあ、どうすればいいんだ??」

と考えながら、たどり着いた答えが、今回のポイントです。

 

まず「当然認められるから簡潔に」という点から入ります。

そもそも「当然に認められる」という表現が不適切ではないかと私的には思うわけですが(だって、「当然」かどうかは人によりますよね??)、要は、他の要件に比べれば認定できる可能性が高いということでしょう。

時間制限の厳しい予備試験・司法試験では、要件毎に各分量を調整しないと全部書ききることが難しくなることがあります。

そのため、簡潔な論述ですます要件も出てきます。

 

ただ、これを「簡潔な表現=手を抜く、楽をする」と誤解してしまう受験生がいるようです。

具体的には、問題文の事実の抜き出しがなく、とりあえず「~(解釈した事実の説明)であるから、○○(要件)に該当する」とだけ書く人です。

これでは、上記の法の基本、「事実を法にあてはめる」が出来ていないですよね。

簡潔とはいえ、最低限「事実の抜き出し→要件(規範)→結論(要件該当性の肯否)」

の枠組みは、残したいところです。

簡潔にするのは、その枠組みが読み取れる範囲でしなければなりません。

 

次に「具体的に書く」という話に移ります。

「具体的ってなんだよ??」と私は思っていました。

要は、「『生の事実』に対して結論を出せ」ということです。

答練を書き始めたばかりの初心者や悪い意味で答練に慣れてきてしまった受験生は、要件(規範)と事実(+評価)との垣根があいまいになりがちです。

そうではなく、「要件設定→問題文の事実を抜き出す→要件該当性の検討(事実の評価+あてはめ)」の枠組みをきちんと分けなければなりません。

これが基本です。

 

判例集とか読んでいると「そんなにきちんと分けられているか?」と疑問に思うこともあるかもしれません(私はそうでした。)。

ですが、自分できちんと枠組みを意識できるようになると、不思議と難解な判決文の枠組みもわかるようになってきます。

英語の勉強をしているときに、「自分で発音できない言葉は、聞き取ることができない」という話を聞いたことがあるのですが、それと「同じ」(なぜここに「」があるのか、当ブログを読んでくださっている方なら、分かりますね??)ことのように感じます。

 

予備試験・司法試験に合格するためには、確かにある程度のテクニックも必要かもしれません。

しかし、テクニックに溺れ、法の基礎基本を忘れ、疎かにする人に予備試験・司法試験の合格は一生訪れないと思います。

そのような人には、伸びしろが生まれないからです。