予備試験に合格した私だから伝えられる!法学の基礎基本!

予備試験・司法試験の合格を目指していた私が法学の基礎基本とは何か…ということに悩み苦しんだ結果、たどり着いた答えを書き綴っていきたいと思います!難しい論点を解説しようとはしていません。法律の資格試験に合格するのに必要なことは法学の基礎基本を見極め、理解することだけです!

令和2年民事系第一問の採点実感を読んでみた~その1~ 法学の基礎基本やっぱり大事。

こんなにたくさんの紙幅を費やして「やれて当たり前のこと」を教えてくれる優しさ

今日からは、司法試験民事系第一問の採点実感を読んでみたシリーズです。

(赤字は筆者)

 

令和年司法試験の採点実感民事系科目第

出題の趣旨等

 

採点方針

採点は従来と同様受験者の能力を多面的に測ることを目標とした具体的には民法上の問題についての基礎的な理解を確認しその応用を的確に行うことができるかどうかを問うこととし当事者間の利害関係を法的な観点から分析し構成する能力な法的主張の意義及び法律問題相互の関係を正確に理解しそれに即して論旨を展開する能力などを試そうとするものである

その際単に知識を確認するにとどまらず掘り下げた考察をしてそれを明確に表現する能力論理的に一貫した考察を行う能力及び具体的事実を注意深く分析し法的な観点から適切に評価する能力を確かめることとしたこれらを実現するために一つの設問に複数の採点項目を設け採点項目ごとに必要な考察が行われているかどうかその考察がどの程度適切なものかに応じて点を与えることとしたことも従来と異ならない

さらに複数の論点に表面的に言及する答案よりも特に深い考察が求められている問題点について緻密な検討をしそれらの問題点の相互関係に意を払う答案が優れた法的思考能力を示していると考えられることが多いそのため採点項目ごとの評価に加えて答案を全体として評価し論述の緻密さの程度や構成の適切さの程度に応じても点を与えることとしたこれらによりある設問について法的思考能力の高さが示されている答案には別の設問について必要な検討の一部がなくそのことにより知識や理解が一部不足することがうかがわれるときでもそのことから直ちに答案の全体が低い評価を受けることにならないようにしたまた反対に論理的に矛盾する論述や構成をするなど法的思考能力に問題があることがうかがわれる答案は低く評価することとしたまた全体として適切な得点分布が実現されるよう努めた以上の点も従来と同様である

民法という科目は全ての法律において基本となる法的なものの見方や考え方を学びやすい科目だと思うすなわち、「民法を制する者は司法試験を制するのであるそんな格言もあるようなないような・・・)。採点実感でどのような採点方針が示されているかは全く問題ではない要は法学の基礎基本を身につけていると認められる者が勝つのである民法も同様である具体的な事実について検討できるか、「法的なものの見方や考え方を身につけているか法的三段論法をマスターしているかなど法律を学ぶ者なら当然に意識すべきことを意識して日の学習を積み重ねていけばよい

 

採点実感

設問について

ア 設問の全体的な採点実感

設問において論ずべき事項は大別して,①契約不適合責任の有無,②代金減額請求権の発生の有無とへの対抗の可否,③追完に代わる損害賠償請求権と売買代金債権との相殺とへの対抗の可否であり,②においては民法468条第項の譲渡人に対して生じた事由の解釈,③においては民法469条第項第号又は第号の解釈が含まれる

いずれも条文から導くことが肝要である仮に適用条文を間違えたとするならその時点で終了と言ってもいいそれくらいの緊張感を持って条文を引いてもらいたい後述されている内容は専ら要件効果の積み重ねの話であるがそれは正しい条文選択なくして成り立たないからである

 

全体としては二つの救済方法として代金減額請求権と追完に代わる損害賠償請求権について検討している答案が相対的に多数ではあったものの各要件の検討や当てはめに関する論述の粗密や適否に差が見られこれらが評価の分かれ目になっていたといえるなお問題文においては,Bが乙建物に住み続けることを前提とした上で,Cへの支払額を少なくするためのの契約責任に基づく主張について解答をするように求めているにもかかわらず契約の解除取消しといった契約関係を解消する主張や不法行為などの契約に基づく主張ではないものを長と論じる答案が散見された当然ながら評価することはできないこれに対し二つの救済方法がどのような関係にあるのかについてまで言及している答案も少数だがありこのような答案は非常に高く評価された。(下線及び丸数字は筆者

→①については法的三段論法が出来ていたかという話である決して難しいことは求められていないなお法的三段論法の習得が簡単だということではない。)。②については問われていることに答えていないという話である問題を解いているにもかかわらず最初から問いに沿わない解答を展開するのは論外である。③が出来るなら上位答案であろう受験生は民法をよくよく勉強されていた優秀な方である

 

個別に見ると,①に関しては契約不適合責任が問題となることについては多くの答案が触れていたが契約不適合の認定判断において性能が契約に適合しないという結論だけを述べているものや買主であるの目的のみをもって判断しているものが見られた

論述の不十分さが指摘されている。「結論だけ述べているもの」「買主であるBの目的のみをもって判断しているもの当然不十分である。「引き渡された目的物が・・・契約の内容に適合しないものである」(5621かどうかが大事なポイントであるはずだから丁寧に書いてもよかったのではないか仮にこれらで十分だと思っていたのであれば要件該当性を検討する能力が不十分と言わざるを得ない他の科目でも同じく不十分な論述が散見されるはずである

 

に関してはまず代金減額請求を基礎付ける要件や効果について論述が不足しているものや知識が不十分であるものが散見された例えば買主に帰責事由がないという要件を充足していることについて触れていないものが比較的多く見られたこのような基本的な要件の充足・不充足については簡潔でもよいから検討する必要があるまた本問では追完の催告を不要とする特段の事情の存在を問題文から読み取ることができないにもかかわらず,Aによる応答のないことをもって民法563条第項第号の履行の追完を受ける見込みがないことが明らかに該当するとしていたものなども散見されたさらに代金減額請求について相殺を論じるものも少なからず見られたこのような答案は代金減額請求権の法的性質は形成権であってこれを行使することにより代金減額の効果が生じるという基本的な点についての理解が不足していると考えられ低い評価にとどまった下線及び丸数字は筆者

法律論の基本は要件効果の積み重ね。①、5633項のチェック漏れが主な原因のように思う適用条文を漏れなくチェックするというのは基本中の基本であるしチェック漏れによる失点は毎年多くの科目で生じるものである。「条文を読めばわかるレベルの漏れはゼロにしたい。①について要件事実論的に検討した結果3項に触れなかった者はいなかったか本問は代金減額請求権の要件充足性を検討している以上これらの要件は漏れなく検討すべきである。「必要な要件を全て満たす法効果の発生が法律論の基本中の基本である。②については、「法効果からの視点を持てていたか気になった。56324号の法効果は、「催告をすることなく直ちに代金の減額を請求することができることである原則として催告が必要1であるところその例外を認めるということである(∵契約当事者間の衡平)。そして下線部履行の追完を受ける見込みがないことが明らかその法効果に対応する要件であるとすると単にAによる応答のないことのみをもって要件を満たすと考えることは法効果とのバランスを欠くと気付けなかったか。③については、「代金減額の効果が生じるという基本的な点についての理解が不足しているという話なのか疑問である。56312項の文言から請求によって代金減額の効果が生じることは読み取れるはずであるし相殺の要件(5051を検討すれば同種の目的を有する債務と疑問に感じたはずである。「理解が不足しているというより、「条文から考えるという基本的な法的思考が疎かになっていないか

 

次に民法468条第項の譲渡人に対して生じた事由の解釈については同項の解釈として論じることができていない答案上記のように代金減額請求について相殺を論じたものはもとより,「相殺を論じていないものであっても同項の問題ではなく同法第469条の問題として論じている答案が見られ特に後者については基本的な理解が不足していると考えられ低い評価にとどまった下線及び丸数字は筆者

→①について。「解釈するのが苦手な受験生が多いようだ添削していても論証を準備している論点については解釈できるがそれ以外の論点は全くになっていない答案が散見されるそもそも、「解釈の方法を学んでいないことが原因と思われる学習の仕方に問題がある。②について適用すべき条文を間違えたら、「低い評価にとどまる当然である正しく適用条文を選択するのは正しい法的思考の第一歩である

 

に関してはまず追完に代わる損害賠償請求を基礎付ける要件について例えば売主に免責事由が存在しないことなど基本的な要件についての論述が不足しているものが散見されたまた民法469条第項第号又は第号の解釈問題について示す必要があるが同項第号又は第号のいずれが適用されるかという以前に同条第項又は第項のいずれが適用されるかについて分析ができていない答案が相当数あったほかこれを同法第468条の問題として論じる答案も散見され特に後者については上記と同様に低い評価にとどまった

ここでも正しく条文を選択すること」、「正しく要件効果を検討することだけが求められている例えば短答の問題を解くとき要件の一つ一つまで丁寧に検討しているか解説に書いてある要件だけ判例だけをチェックして勉強した気になっていないか高度な法律論は地道な要件効果の積み重ねの上にしか成り立たないつまり受験生がするべきことは地道な要件効果の積み重ねという当たり前当たり前に出来るようにすることである

 

イ 答案の例

 

(続きが明日)

 

※ひたすら法学の基礎基本を教われるABprojectの添削指導はこちら。

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