行政法課題テスト③ 予備試験界・司法試験界の真実
小手先のテクニックだけでは、勝てない
言うまでもないことですが、予備試験・司法試験に挑戦する方々の中には頭のいい人がざらにいます。偏差値70オーバーは全然珍しくありません。当然、合格者における高学歴者の割合も相当高くなっています。
つまり、予備試験界・司法試験界の真実(この業界に限ったことではないかもしれませんが・・・)として、「『圧倒的に勉強できる人』に勝つ方法を考えないと合格は難しい」ということが言えるわけです。
こういう話をすると、すぐに「効率的な勉強法」「受験テクニック」的なものを求めてしまいますが、私の経験上、そういったものはあまり勝敗を分ける「違い」を生むものではないように思います。ゼミなどで同じように情報を共有し、同じような対策を講じていても、結果を残せるのは、結局偏差値が高い方の人という結論に終わることがばかりでした。
司法試験予備校からも、様々な講座が提供されるなど充実したサポートがなされている様子が伺えますが、合格実績を見るとその大半は結局高学歴と呼ばれる人たちで占められています。
つまり、試験開始前から存在していた「格差」が最終的な合否の差になってしまう可能性が非常に高いということです。この差を埋める努力をしなければ、結局目標は達成されずに終わるでしょうし、「受験教育ビジネスの餌食」になるだけではないでしょうか。
添削指導をしていると「時間がない」「遠回りしたくない」という思いからか、「『正解』に早く辿り着かせること」を求める方が度々いらっしゃいます。上記の「格差」の問題を直視せず・・・。
このような勉強の進め方では超えられない現実があることは、上記の通りです。「高い山」を登ろうと最良の手段を選択したい気持ちはよくわかります。しかし、予備試験・司法試験のような「高い山」だからこそ、効率性・合理性といった「目先の利益」にとらわれた勉強ではなく、その本質を追求する学びを大事にする必要があると思います。最低限必要な「地力」を付けないと、高い山は登り切れないのです。
次回のブログでは、将棋の世界を参考に「地力」の伸ばし方について綴っていきたいと思います。
※法学の地力を伸ばすためには、学びの方向性を見失わないこと+基礎基本に沿った思考を何度も繰り返すことが大事です。そのヒントをつづったのが、こちらの「法学のコンパス」です。
それでは、行政法課題テスト③の問題を公開します。
○注意書き
・参照可→六法等
・制限時間なし
・解答は記述式
・記述の構成要件→①正誤②条文の適示③問題となる要件④問題の所在
・5問中4問正解で合格
問1
運転免許効力停止処分については、その効力停止期間が経過しても、当該処分が前歴となり、被処分者の名誉・感情・信用等を損なう可能性が継続して存在するという法律上の不利益が存するから、なお処分の取消しを求める訴えの利益が認められる。
(正誤)
(理由付け)
問2
一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合には、差止めの訴えによる救済の必要性が認められるが、その損害を避けるため他に適当な方法があるときは、例外的に差止めの訴えによる救済の必要性が認められないものとされる。そして、差止めの訴えが適法に提起された場合、被処分者の権利保護の見地から、当該行政庁は、直ちに当該処分を行うことができなくなると解することができる。
(正誤)
(理由付け)
問3
課税処分を受けた納税者は、当該課税処分に係る税金をいまだ納付していないため滞納処分を受けるおそれがあるときは、課税処分の無効を前提とする債務不存在確認訴訟等を提起することができるとしても、課税処分の無効確認訴訟の原告適格を有する。
(正誤)
(理由付け)
問4
税務署長が所得税の更生処分に際し、所得税を過大に認定するという違法があったとしても、そのことから直ちに国家賠償法第1条1項にいう違法があったことにはならない。また、市が管理する道路に設置された防護柵から幼児が転落する事故が発生した場合、通行時における転落防止の目的からみてその安全性に欠けるところがなく、当該事故が予測不可能な被害者の行動に起因するものであった場合には、国家賠償法2条の営造物の設置又は管理の瑕疵があるとは言えない。
(正誤)
(理由付け)
問5
裁判所は、償うことができない損害を避けるために緊急の必要がある場合には、義務付けの訴えを待たずに仮の義務付けの申立てを認めることができる。また、義務付けの訴えが提起された場合は、当事者の申立がなくても、職権で仮の義務付けを認めることができる。
(正誤)
(理由付け)
行政法課題テスト③の正解発表は明日2021年1月5日の予定です。
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