憲法課題テスト④ 記憶力で勝負したい人は読まないでください
法の技術・発想を身につければ、道は開ける
司法試験・予備試験に合格するためには、人並外れた記憶力が必要だと思いますか?
偏差値70超えの天才たちと同じ土俵で戦って、勝てると思いますか?
この問いに対する自分なりの答えが「考え方」の変化、そして予備試験連続不合格(短答)からの逆転合格につながりました。
「考え方」の変化については、前回のブログ(2020年9月26日)で書いたことなので興味がある方は、ぜひブログを読んでみてください。今回は後編です。
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さて、受けても受けても箸にも棒にも引っかからなかった私は、合格戦略を見直さざるを得ませんでした。そもそも、一つ一つの判例・論点・学説等を記憶することに限界を感じていた私は、「もっと根本的なところに打開策があるはずだ」と希望的観測をしていました。
そして、試行錯誤の末、たどり着いた答えは、「法律は法律問題解決のための道具である」ということです。教科書に書いてあることの大半は、法律の使用例やその説明にすぎず、必要以上にそこに縛られる必要はないと覚悟を決めました。
「法律は道具である」という視点から考えると、予備試験・司法試験合格を目指すために一番大切なことは、法律を使う「技術や発想」だと言えます。もちろん、判例の規範や法理論を正確に記憶することも大事ですが、優先順位は後です。
まずは法律の基本的な使い方をマスターするという「幹」を押さえてから、その幹につながるように「枝」となる判例や法理論を学んでいかなければならないと思います。しかし、教科書等を読むと「枝」に注力した記述が多いのです。上記のように私自身が挫けていたのも、「幹」を育成をほどほどに「枝」にばかり目を向けていたからだと後に確信しました。細い「幹」にたくさんの「枝」はつきません。当然の話です。
前回のブログと併せて、私自身の不合格体験に基づく合格戦略をお伝えしてきました。来年の予備試験・司法試験合格を本気で目指す方にとってわずかでもヒントになっていれば、幸いです。
ちなみに、私が考えた「幹」の内容については、「法学のコンパス」(下記リンクより)にてまとめています。当たり前のことしか書いていませんが、当たり前のことが疎かになっていることが不合格の原因かもしれません。基礎基本から自分を見つめなおしたい方には、ぜひお勧めしたいところです。
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では、憲法課題テスト④の問題を見ていきましょう。
○注意書き
・参照可→六法等
・制限時間なし
・解答は記述式
・記述の構成要件→①正誤②条文の適示③問題となる要件④問題の所在
・5問中4問正解で合格
問1
憲法第29条2項は、財産権は「法律でこれを定める」と規定しているが、地方公共団体が私有地に対する個人の権利行使を法律によらず条例のみで規制することは合憲と認めうる。判例の立場による場合でもこのような条例が違憲となる余地はない。
(正誤)
(理由付け)
問2
土地の形状の変更に制限を課す法令の規定に損失補償に関する定めがない場合、当該規定は、あらゆる場合において一切の損失補償を否定していると解されるから、当該規定は憲法第29条3項の規定に反する。もっとも、損失補償を求める者は、損失補償に関する法の定めがない限り、損失補償を求めることができない。
(正誤)
(理由付け)
問3
コロナウイルス等感染症の拡大を防止するという目的から、一定の場合に都道府県知事が患者を入院させる措置をとることを認める法律は、居住・移転の自由における人身の自由の側面に向けられた直接的な規制と言える。このような規制は、居住・移転の自由に対する規制として合憲とは言えない。
(正誤)
(理由付け)
問4
判例は、酒類販売の免許制は、消費者への酒税の円滑な転嫁のため、これを阻害するおそれのある酒類販売業者を酒類の流通過程から排除するための規制であり、経済的弱者保護という意味での積極目的規制とは異なるとした。そして、免許の許否が実際に既存の酒類販売業者の権益を擁護するような運用になっていない限り、酒税法の立法目的を明らかに逸脱するものであるとはいえず合憲であるとした。
(正誤)
(理由付け)
問5
酒類は致酔性を有する嗜好品であり、過度の飲酒は自らの健康を害し、生命を失うこともある。とすると、国が飲食店における客一人あたりの酒類販売量を制限する法律を定める場合、飲酒者の健康保護というパターナリズムに基づく規制の妥当性が問題となるにすぎないから、当然合憲と判断される。
(正誤)
(理由付け)
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憲法課題テスト④の解答発表は明日2020年9月29日!!