刑法課題テスト⑤ 下積みという言葉は嫌いだ
いつの時も世界のど真ん中に立っている気持ちで
下積みとは、「自分の能力を発揮できないまま低い地位や立場にあること。またその人。」のことを言うそうです。
私も長らく予備試験に合格できない日々が続いたので、受験生活の中ではいわゆる「下積み生活」は長いかもしれません。でも、下積みという言葉はあまり使いたくないです。
上とか下とかいう感覚がそもそも嫌いです。「予備試験・司法試験に受かったら、上なのか?」と思います。「自分は出世した。上がってきたんだ。」と思う自分にはなりたくありません。ただ自分が「おもしろそう」「もっと知りたい」「もっとできるようになりたい」と思うものに純粋に向き合い続けていられたらいいなと思います。
その過程で自分の立場や周りの環境の変化が伴うかもしれませんが、それはあくまで「事実」としての変化であって、上とか下という「評価」は、また別物です。何事も純粋にありのままの「事実」をとらえられる人でいたいと思います。
刑法を含む法律を適用する際は、「事実」を法律に沿って「評価」する作業が延々と続きます。「事実」と「評価」を区別できていない答案は、客観的事実を的確に分析する視点に欠けます。法律答案として失格です。
合格に至る長い道のりは、本当に下積みでしょうか。自分以外の誰かにそう言われても別に構いませんが、私自身は、「下」だとは評価しません。人間皆平等で、人間皆世界の中心に立っているのだと思います。
何も恐れず、堂々と自分の学びを追求してけばいいと思いますし、予備試験・司法試験は、単なる通過点です。上にも下にもいかない、真っすぐの道があるだけではないでしょうか。
刑法課題テスト⑤の問題は、下記の通りです。
○注意書き
・参照可→六法等
・制限時間なし
・解答は記述式
・記述の構成要件→①正誤②条文の適示③問題となる要件④問題の所在
・5問中4問正解で合格
問1
甲が傷害を負わせる意思なくVの顔面を手拳で殴打したが、甲の意に反して当該殴打によってVが傷害を負った場合及び甲がVの髪を同人が寝ている間に無断で切って短くした場合、判例によればいずれも甲には傷害罪が成立する。
(正誤)
(理由付け)
問2
甲は、自動車の運転免許を取得したことも運転経験もなく、ハンドル、ブレーキ等の運転装置を操作する初歩的な技能もなかったのに自動車を走行させたため、自車を対向車線に進入させ、対向車に衝突し、同社の運転者を死亡させた。この場合、甲に重大な過失があることは明らかであるから、狭義の刑法に定められる重過失致死罪が成立する。
(正誤)
(理由付け)
問3
甲がVを多数回にわたって手拳で殴打したり足蹴にしたりする暴行を加え、その場を立ち去った直後、偶然通りかかった乙が、倒れているVに対して更に手拳で殴打したり足蹴にしたりする暴行を加えた。これらの暴行による傷害によってVは死亡したが、その死因となった傷害が、甲乙いずれの暴行によって生じたものかは不明であった。この場合、甲乙それぞれに傷害罪が成立するにとどまる。
(正誤)
(理由付け)
問4
甲が被害者V自身に首をつらせて死亡させたという事例では、自殺関与罪の成否のみならず殺人罪の成否も問題となり得る。この場合、被害者の意思決定過程に重大な瑕疵があれば、たとえ被害者が自殺を決意していても殺人罪の成否を問題とするのが判例の立場である。
(正誤)
(理由付け)
問5
判例によると、医師が堕胎を行い出生した未熟児が死亡した場合、同未熟児については、常に医師に「保護する責任」が生じるから、保護責任者遺棄致死罪が成立する。なお、保護責任者遺棄致死罪を検討する場合、殺人罪を検討する余地はない。
(正誤)
(理由付け)
添削希望の方は、こちらから!!
司法試験過去問にチャレンジしたいという方は、こちらから!!