合格する人は見えているポイントが違う 不合格になる人は見えているつもりになっている
なぜ理解できないのか?何が分かってないのか?その分析力が添削の質です
今回は、会社法の論点「設立中の会社の法律行為」についてです。
以下の添削例は、予備試験・司法試験過去問ではなく市販の問題集を解いてみましたという方に向けた添削です。
ABprojectでは、受講生の希望に合わせたスタイルで添削指導を行うことが出来ます。
「何を使うか」ではなく、「何をするか」が大事だと考えているからです。問題の質に関わらず法学の基礎基本を教えられるのは、法学の基礎基本をきちんと見極められているからに他なりません。
以下の添削例でも「設立中の会社」という会社法の難論点に対してどう対応すればいいのか、基本事項からきちんと説明しています。会社法の教科書にも予備校の論点解説にも書いていない「当たり前のこと」から説明することを意識しているのがよくわかります。これは、多くの受験生が「当たり前のこと」に気付けていないためにつまづくケースがとても多いという経験則から導かれた指導方針です。
「自分はかっている」と早とちりせず、一読してみてください。
この書き方は、まさに論点主義と批判される書き方です。そもそも、本論点の前提を飛ばしてしまっているからです。まずは、条文の文言から定款に記載のない財産引受が原則的にはどういう効果となるのかを示してください。その上で、原則に従った帰結の問題点、そして、その問題に対応するためにどういう性質の法律行為を有効にするかという点について本論点の前提となる設立中の会社の権利能力・発起人の権限の範囲の問題と絡めて、考えていくのが本論点の問題です。
それから、上記設立中の会社の権利能力の話と絡む点で気になったことがあります。問題をよく読んでもらえばわかるのですが、発起人代表AがXと売買契約を締結したとき、Yは、まだ設立されていません(設立中の会社)。つまり、法人として権利義務の主体となる能力を有していません。権利能力のない主体は、契約の主体になれませんよね?とすると答案中の「Yが分譲マンションを購入する・・・」という表現は、誤りです(答案の後半を読むとこの辺りは理解されているのかなと思いましたが・・・)。問題文中には、どう書いてあるのか、確認してみてください。契約を締結すること(法律行為)と契約に基づく請求(法律効果)を区別する意識が大切です。この点からは、本論点のみならず設立中の会社の権利能力の問題に対する理解不足も感じられました。