予備試験に合格した私だから伝えられる!法学の基礎基本!

予備試験・司法試験の合格を目指していた私が法学の基礎基本とは何か…ということに悩み苦しんだ結果、たどり着いた答えを書き綴っていきたいと思います!難しい論点を解説しようとはしていません。法律の資格試験に合格するのに必要なことは法学の基礎基本を見極め、理解することだけです!

ABprojectはなぜ基礎基本にこだわるのか? 法学習の正の連鎖は知っていますか?

刑訴法の添削例を公開 法学の基礎基本を押さえれば、正の連鎖が始まる?

 

今回は、刑訴法の答案添削例を一部公開したいと思います。添削したのは、司法試験・予備試験の過去問ではなく、某法科大学院の過去問です。

ABprojectでは法科大学院生・法学部生の課題サポート等も行っております。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

さて、話がそれてしまいましたが、刑訴法の答案添削例を公開するといっても伝えたいメッセージは、刑訴法分野にとどまらないものです。

以下の添削例では、あてはめがうまくいかない受講生に規範の理解をきちんとするよう厳しく求めています。このような指摘は以前ブログで紹介した他の添削例でも見られます。つまり、答案を書くときの基本というのは、どの科目でも同じということです。

各科目に共通する基本部分が分かるとどの科目も同時に実力が上がっていきます。理解度が上がると知識の吸収力も上がっていきますので、各科目相互の関連性に気付きやすくなり、同科目内の相互理解も飛躍的に高まっていきます。まさに正の連鎖が始まるのです。

ここまで来ると、勉強はだいぶ楽になります。ある特定の科目を勉強しながら、他の科目の実力までアップしていくという未体験ゾーンはぜひ体感してもらいたいものです。

 

 まず被制約利益に関するあてはめはどうすればいいのかという質問についてお答えしますがそもそもその疑問が出てくるあたり規範に対する理解が不十分だと思われます当該規範は判例を意識されたものだと思いますがかの判例捜査機関側の利益と捜査対象者側の利益を比較考量した上で捜査機関側の利益が捜査対象者側の利益を上回るのであれば捜査の相当性を肯定し197項本文に基づく捜査の適法性を認めるという考え方です被制約利益の問題は捜査対象者側の利益を示すものなので、(その存在を当然の前提としたうえでその内容及びその軽重について論じればいいと考えますあてはめの仕方に迷ったらまずは規範の知識不足を疑いましょう

 続いて必要性・緊急性の当てはめをしている部分についてですがそれぞれ分けて当てはめてくださ。「それに対し・・・の部分は当てはまっているようで全然当てはまっていません事実と要件考慮事情との対応関係が不明だからですあと殺人事件がなぜ重大事件と言えるのか理由づけられていると丁寧です。DNA鑑定で一致しているという記述についてはもう少し具体的な内容に触れかつそれがどう要件と結びつくのかを説明できるといいですね言いたいことはわかりますが要件該当性の説得力に欠ける印象です

 ちなみに捜査の相当性を判断する考慮事情として必要性・緊急性などと挙げられていますがその意味を考えていますか上記の通り当該規範の核は比較考量論ですよってその考慮事情は対立利益間の考量を適切かつ公平になしうるものを挙げなければなりません本件で緊急性って要りますか?(要否に正解はないと思いますが判例の事案と本件とでは状況が異なるのでその点をどう考えるかが問題です。)被制約利益に触れたいなら、「などとごまかさずそれを考慮事情に入れることを明示してもいいのではないでしょうか

 「もっとも以下ですが結論部分は適法ですかそれとは別に被制約利益に対する著しい制約があると言えるでしょうか被制約利益の指摘はありましたがそれに対してどのような制約があったのかその態様が著しいと言えるかという点について検討がありませんでしたそして規範はどういうものでしたか規範とあてはめは完全一致を目指してください